コンゴ不法鉱山区金属の使用を禁ずる宣言書

前文

南アフリカの中心に位置するコンゴ民主共和国は世界で最も豊富な金を有する国であり、これ以外にもコンゴの地下にはダイヤモンド、非鉄金属と希少金属などの資源がまだ豊かに埋蔵されており、地質学的奇跡とも称されているとおり、まさにふんだんな資源に富んだ国家です。しかし、ここ数十年さまざまな資源を奪おうとする力が働き、これらは絶えることのないコンゴ内戦を引き起こす結果となり、400万を超えるコンゴ人は、休まることのないこの奪い合いの中で命を落としていきました。現地では武装勢力と多国籍企業が互いに結託し、現地の庶民に強制的に採掘させているだけでなく、ときにはその報酬すら払っていないのです。この結託者たちが大金持ちになる一方で、コンゴの民衆はこのような非人道的な苦しみを耐え忍んでいます。

国際組織であるグローバルオブザーバーの責任者パトリック・アイレイは次のように述べています。「この資源は呪われたものとなってしまった。植民地統治時期から現在に至るまでコンゴは豊かな資源の臨時貯蔵地であり、労働者はこれまでずっとこれらの資源の本当の受益者とはなっていない」。

よって、コンゴ民主共和国の不法な鉱山区のスズ、鉄マンガン重石、コルタンと金などの希少金属をメディアから「血鉱」と呼ばれているのも納得がいきます。これらの金属は私たちが熟知している情報と通信技術製品-例えば携帯電話やノートパソコンに応用されているのです。
 

電子コンポーネントに応用している金属とその出所

電子コンポーネントに用いている金属とその容量は製品の種類、型番などによって異なっています。電子コンポーネントに利用するうえでの重要金属を下表に列挙します。使用しているものはコンゴ民主共和国不法鉱山区のコバルト、金、タンタラム、スズ、パラジウム、ウォルフラムであり、これらすべては社会環境問題を引き起こしており、すでに末端顧客とNGOの関心を集めるものとなっています。




金属は多種類の出所があり、それにはリサイクル金属、粗鉱と在庫金属が含まれますが、中でも粗鉱を主な源としています。タンタラムを例にとると主要源は次の図のようになります。


採鉱がきっかけで引き起こされた社会問題

金属の採鉱は先進国と発展途上国にとって巨大な経済効率をもたらしてきました。たとえば経済成長の加速、生活の質の向上、公共の社会基盤施設の最適化などがあります。同時に採鉱が社会と環境の多方面にわたってマイナスの影響を与えてもいるのです。私たちは採鉱がもたらす利益は社会と環境問題という代償を払っていることに気づくべきでしょう。

1. 環境問題
環境問題の分野から考えると、ほとんどの金属の採鉱プロセスが環境に与える影響は以下のとおりです。

  • 土地および生態環境の破壊、採鉱停止後にもなお深刻な影響が及んでいます。
  • 水質汚染を招いています。
  • 採鉱、熔錬、精錬により温室効果ガスが排出され、大気汚染に至ります。


2. 社会の分裂問題
採鉱にかかわらず教育、保健衛生、社会基盤施設(病院、学校、鉄道、通信ネットワーク)などを発展促進させてきましたが、採鉱プロセスにおいては売春とエイズの広がりや地域暴力や衝突などを含めた多くの社会問題が依然としてして存在しています。

3. 強制労働

 

4. 未成年労働者の濫用
 

5.女性労働者への権利侵害

6.労働者に給料を支給しない

7.人権侵害と衝突

8.人権侵害と衝突

 

 

 

注目が集められている関連分野

コンゴ民主共和国は鉱産ゆえに人権侵害と衝突問題を引き起こし、この件はすでに電子業界行動規範(EICC)とグローバルeサスティナビリティー・イニシアチブ(GeSI)が1つの作業チームを成立させるほど高い関心が払われています。この作業チームは採鉱レベルを社会と環境状況に合わせてさらに理解するだけでなく、実際にいかにして作業環境を改善できるかを決めるうえでとても大きな働きをするのです。

メイク・イッツ・フェアー(Make IT fair)、1つの欧州各地の機構から組織された新しいネットワークグループであり、参与しているのはソニー、ノキア、ヒューレット・パッカード、フィリップスなどのサプライヤーであり、彼らは購買する金属の原料プロセスで立ち向かうであろう道徳と環境のリスクに注意を払っています。

さらに、オランダの組織であるSOMOもこの件について調査を行い、現地の鉱山労働者の健康と環境問題を公表しているのです。SOMOのEsther de Haan氏いわく、消費者電子製品業界は多くの金属原料の重要な消費者ではあるものの、金属原料を採掘するのはすべて中国、ロシア、アフリカのようなリスクの高い国であり、消費者電子製品業界がこれらの金属を直接採掘するわけではない、としています。これまでのところ、彼らはまだこれらの金属原料の出所を調査していませんが、私たちは彼らの注意をその金属原料の原産地とIT業界が世界各地の人びとに公平に接するよう促しているのです。

 

顧客価値および精元の要求

コンゴ不法鉱区で生じた社会問題はすでに精元の顧客の気がかりな点となっています。
顧客の要望に応じるとともに企業の社会環境責任を履行するために私たちはすでにサプライヤーへ金属サプライチェーンにおいて以下の責任の担うよう要求いたしました。

 

不法鉱区の金属と劣悪な仕事環境から採掘されてきた金属は使用しません。

 

上流サプライヤーにコンゴ民主共和国不法鉱区の金属の使用しないよう求めます。

 

全ての製品に「血鉱」となり得る金属、例えば金(Au)・パラジウム(Pd¬)・タンタル(Ta)・スズ(Sn)・ウォルフラム(W)など、これらの金属の鉱区をさかのぼって調査いたします。

 

精元および精元顧客は金属の出所調査に歩調を合わせ、不法鉱区の金属を使用しないことをここで保証いたします。

 

 

参考資料

  1. EICC & GeSI, June 2008, Social and Environmental Responsibility in Metals Supply to the Electronic Industry, http://www.gesi.org
  2. Michael Renner, Cotan Mining in the Democratic Republic of Congo: How tantalum-using industries can commit to the reconstruction of the DRC, Fauna&Flora International, http://tierra.rediris.es/coltan/coltanreport.pdf
  3. Michael Renner ,Breaking the Link between Resources and Repression.State of the World 2002 pp.149 - 173.



コンゴ民主国共和国不法鉱山区のニュース﹕
http://gb.cri.cn/27824/2009/08/05/3245s2583781.htm
http://news.163.com/05/0905/13/1ST01H2D00011EOK.html